車山天狗のお話

昔、車山には天狗(テンゴン)様が住んでいました。
ある日、麓の柏原村の百姓が車山の裾で薪を採っていると、
どこからともなく天狗が近づいてきました。
そして「ワシのつかいを頼まれてくれ。手紙を届けてくれ」
と何度も何度も百姓に頼みます。
仕方なくつかいを承知すると、
天狗は百姓に向かって
「ワシがよしというまで決して目を開けるではないぞ。
目を開ければ谷底に落ちて命はないぞ」
そう言いました。
百姓は力いっぱい目をつぶりました。
すると、百姓の体はふわふわと空中へ浮き上がっていったのです。
しばらくして、「よし」という声に百姓が恐る恐る目を見開くと、
なんと車山の山頂に立っていました。
同じようにして次に目を開くと、
驚いたことに、今度は八ヶ岳の天峰でした。
目の前には八ヶ岳の天狗が立っています。
百姓が車山の天狗から預かってきた一通の手紙を渡すと、
八ヶ岳の天狗は礼をいい、前と同じようにして、
もといた場所に帰してくれました。
目を開いて辺りを見ても、天狗の姿はもうどこにもありません。
その変わり、目の前にはきちんと揃えた薪が山のように積み重ねてあったのです。
よく見るとそれはみんなねじり切ったものでした。
百姓は喜んで、車で何回も何回も薪を家に運び、大切に使いました。
不思議なことに、その薪は使っても使っても、少しも減ることがなく、
百姓の暮し向きも次第に豊かになっていきました。
以来、この家では車山天狗様を御祝神に祀り、末代まで栄えたと言うことです。

[comment]
いや〜これは、結構面白い民話が車山高原に残っていたんですね。(^^)
車山高原を知っている人なら、想像してみてください。
車山に、木って薪が採れるぐらい生えていましたっけ?
そうですよね。高原の花、草などで頂上まで埋め尽くされた綺麗な山です。
車山のニッコウキスゲなんて最高ですよね。
あと、まとまって咲くレンゲツツジ、蕚片が美しい姫一華(ヒメイチゲ)。
ノハナショウブやシシウド、鮮やかなエゾカワラナデシコ……。
マツムシソウやツリガネニンジンなんか高原の夏の風情を感じさせてくれますよね。
車山には、背の高い「木」が生えている印象がありません。
しかし、この民話には「車山の裾」と書いてあります。
実際に見てみました。両裾を。
なんと生えているんですね。びっしりと。
逆に生えていなければ、当時そこら辺りには、木が生えていたという
仮説が成り立つところですが、そんな心配はいりませんでした。
柏原村のお百姓さんは、薪を車山の裾で採っていたんですね。
しかも時代背景上、薪は必要不可欠。
案外生活に溶け込んでいる労働なはずなのですが、
薪を採ることが、結構大変だった暮らしぶりが伝わってきます。
もしかしたら、薪をとる労働は、当時のお百姓さんのお百姓生命に関わるほど、
重要だったのかもしれません。

[小さな情報]
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