記憶に残りし触れられぬ形は……  
 

2002-10/29 (Tue)

 
 

辛すぎる……

人にはいろいろな思い出がある。

おいらにも、ある……。

一本の電話が入ったんだ……。今日ね……。

愛知県の春日井市、とってもいい街なんだよ。

素敵でさ、なんにも不便はないし、仲間と暮らすには、
最高の街の一つなんだ……。

それが裏目に出たね……。

おいらは、もとからこの春日井市に住んでいたわけじゃない。

大学生活をすごすのに、移住したんだ。

最初はちょっと抵抗感があって、
凄く不信になった時期もあった。

でもね、一人暮らしを支えてくれる街の雰囲気をもっている
信じられないほどのぬくもりがあったんだ。
少なくとも俺にはね。

そこで、大学生活を有意義に過ごして、
毎日が楽しくて楽しく、
先輩や仲間も、すごく尊敬する人たちが集まってきたんだ。

そして社会へ飛び出しても、埼玉へ来るまで、
俺は一つの寮に居座る。

六畳一間……。

見る人から見れば、最低な環境かもしれない。

でもね、俺の財布には今でも、使わないけど、
ここの鍵が入っている。

春日井の人もいい人ばかりで、
ここの大家さんは、親子そろって素晴らしい人だ。
俺はパソコンを教えたり、飯を奢ってもらう仲になっていた。
今でもメール来るよ。月一ぐらいでね。一応。

俺にとって、その寮は春日井市の代名詞みたいなものなんだ。
寮には実は荷物の大半をまだ預かってもらっているしね。

住民票だって愛知県だよ。まだね。


誰も想いはしない……。

炎が思い出を跡にしようなど……。

火の手は四階からあがり、屋根を燃やし尽くし、
fire man の手によって鎮火させられた。

再起の可能性はない。
幸いにして、死傷者無し。
機能する階 2F 1F のみ。

住んでいた頃から問題の多い奴が火種。
反省の色さえ見えず、落胆しているという……。

明後日そいつは話のネタになったと喜びそうな感じさえあるという。

俺の思い出も痕が残った……。

電話の内容では、早急にはありえないが、
たたむので、その連絡だそうだ……。

大家さんは、埼玉に出る俺にこういった。
「第二の我が家として歓迎するから、いつでも遊びにおいでね。」

すごく暖かかったし、大家というimage以上に親近感が俺にはあった。

形あるものはいつかは滅する……。

再起不能になった思い出に俺が最初に浮かんだ phrase だ。

知らない人にとっては、負傷者無しの家屋なんぞどうでもいいかもしれない。

いい思い出がたくさん詰まっているかの地こそ、
俺には辛い事象として、俺の心を潰している今もね……。

形には大切さの本当というものは、多分なくて、
俺の心と、そこに集ったたくさんの事象、たくさんの人との思い出が、
一番の大切……。

わかりはすれどもね。

わかりはすれどもね。

俺も出来たにんげんじゃねぇぇぇぇえーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

頭では理解できてもな、魂は火ダルマだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

多分あと少しは掛かるでしょう。

心が本当の大切と意味の記憶を消化するまで……。


事実を事実として受け止める辛さ……。
でも、俺は心境的ににげねぇ。

怒りという感情はずいぶん久しぶりだ。
5年以上は遡るだろう……。

あの場所の記憶、今は肌に触れる事すら出来ず……。